インバウンド需要を追い風に、外食市場では炉端焼きや囲炉裏料理の店が人気だとか。大手チェーン居酒屋では体験できない“エンタメ”性と“立て”感がウケているのでしょう。
日経MJ9/19【残暑を炎で追い払え!どうせ汗だく 炉端へGO】で“炉端焼き店”として紹介されていたのは、俺のが11年ぶりに新業態として5月に東京・恵比寿に出店した「俺の炉ばた」、ホットランドホールディングス傘下のオールウェイズが6月に同・人形町に出店した「おでん屋たけし」の新業態「おでんと炉端 たけし」など。一方、囲炉裏料理としては、10/6、“囲炉裏料理と日本のお酒”をテーマにした立ち飲み酒場「ONDO(オンド)」が「渋谷ストリーム」にオープンしています。
炉端焼き、囲炉裏料理。囲炉裏端の“端”は、“へり、ふち、はし”。店主も客も囲炉裏を囲むように座り、店主が炭火で焼く新鮮な魚介や肉、野菜を客が楽しむというもの。炉端焼き店が流行った1970年代。店主(料理人)と客の間にある囲炉裏(焼き場)と、客前に提示された食材をまたぐように、“柄が長い大きなしゃもじ”に焼き上がった料理をのせて提供するスタイルができ上がったような。市井の人々の生活トレンドをいち早く取り入れる脚本家、橋田壽賀子氏が書き上げたのが「おんなの家」。三姉妹が切り盛りする炉端焼き店でも、“柄が長い大きなしゃもじ”は炉端焼き店の象徴のように使われていました。
提供する側にとっての炉端焼きの良さは、調理プロセスが簡素なこと、調理・サービス両方の人手が省力化できること、ライブ感が加わることにより素材価値を増幅できることなどがあります。飲食店の中には、串に刺した魚やエビを囲炉裏に立てて炭火で焼き上げる“原始焼き”、客が自分で焼き上げる“セルフ炉端焼き”をウリにする店も登場。“ジャパニーズ・バーベキュー”とも呼ばれているとか。令和の炉端焼きは枝分かれしながら広がっているようです。