(ダチョウ肉人気再々々々燃?-1に続く)
2006年のトレンドキーワード【ローファットミート】の中では、ダチョウやカンガルー、ワニ、イノシシなど約10種類の珍しい動物の肉をイタリアンにアレンジした料理が人気の飲食店を紹介。低カロリーで鉄分が豊富な“ダチョウのカルパッチョ”が美容と健康に関心が高い女性に好評でした。07年には、大阪のフード屋台「近江商人Jr.」が、玄米入りのバンズでダチョウ肉のハンバーグをはさんだ“ダチョウバーガー”を提供したり、東京農業大学内で販売された、エミューの卵で作った生どら焼きが名物菓子になったり。08年には、牧場並木屋(埼玉・新座)がダチョウの卵でシャーベットを作り、09年には、北海道・芽室のダチョウ観光牧場が、ダチョウの卵を使った口溶けのよい生キャラメル“ダチョウ卵生キャラメル”を発売しました。
14年、東京や大阪のフレンチやイタリアンのメニューにダチョウ肉が採用され、国産ダチョウ肉が品薄状態に。翌15年、愛知・犬山のテーマパーク「野外民族博物館リトルワールド」で開催された、世界各国の珍しいスイーツを揃えたイベント“スイーツEXPO”で、ダチョウの卵の殻を器に使った “ダチョウの卵プリン”が販売され、何とか手に入れようという人々で“ダチョウダッシュ”なる現象が起きました。19年には、ダチョウの卵黄に含まれる免疫力を強化する成分を配合した、キャンディとグミが発売されています。
飛んで24年。「吉野家」は、ダチョウ関連の事業を本格的に開始。“オーストリッチ丼〜スープ添え〜”を一部店舗で限定販売。子会社の茨城県にある牧場で育てたダチョウ肉のロースト、保湿効果のある脂を利用した美容オイル・クリームなどのオンラインでの提供を開始しました。25年に入り、ダチョウ料理を全面に押し出す日本料理店が東京・赤坂にオープンしています。
ダチョウ肉は、赤身でヘルシー、しかもうま味が強いのが特徴。骨からはだしがとれ、羽も皮も脂も無駄なく活用でき、飼育するうえでの環境負荷も低い、まさにサステナブルな食肉。加えて、飼育についても研究が進み、育成率が9割近くまで向上したとか。一方、羊肉は、肥育が難しいうえに繁殖能力が低く、自給率は未だ1%未満。第4の肉の主役は、ダチョウ肉なのかもしれません。