令和のシニア市場は、「Wシニア市場」

 「2025年食市場のトレンドキーワード」のひとつに、「Wシニア市場」を挙げました。今後、団塊シニアと新人類シニアの「Wシニア市場」が展開されるという内容です。“新人類”と呼ばれる世代は、1961~70年生まれ。今年55~64歳です。この世代が、いよいよシニアの領域に入ってきます。そしてもうひとつ、キーワードに挙げたのが「ハイシニア向け食品」。介護食ではなく、健康なハイシニアがもっと元気に若々しくありたいがために積極的に食べたいと思える食品です。
 国立社会保障・人口問題研究所は、13年後の2038年には、3人に1人が65歳以上と予測。「Wシニア市場」は世代を順送りしながら拡大し続け、それに伴い「ハイシニア向け食品」のニーズが高まることは必至です。求められるのは、身体と脳の健康。シニア向け食品で目立つワードは、「骨密度」「膝」「脚」「血管」「血液」「血圧」「お通じ」「筋力」「認知機能」「栄養バランス」などなど。若いときには、思いもよらない言葉だらけです。
 バブル期を謳歌してきた新人類シニアは、消費に対して意欲的。定年後も働き続けたい人が多く、財源が確保されることから、活発な消費傾向は続くと見込まれています。また、団塊シニアと新人類シニアはこれまでのシニア世代とは異なり、SNSを駆使するなど情報収集に積極的で、いわゆる中高齢者意識がないのが特徴。ただ、気持ちが若く過去のシニア層に比べて元気とはいえ、身体と脳の衰えを感じている年代であることは否めません。
 “栄養は、サプリメントではなく食事から摂りたい”と考える生活者が多いのが日本人の特性。いつまでも元気で人生を謳歌したいシニアの皆さんは、新たな抗老化食品を熱望しています。