2025年、不安感が広がる食市場のキーワード

 2025年が始まりました。例年以上に不安な気持ちでお正月を迎えました。不安感は年々強くなっています。
 今年は、トランプ氏が再び米国の大統領に。世界中が彼の手腕(?)に戦々恐々としています。日本においては、円安がますます進んで食料品が値上がりするのではないか、米国への輸出品の税率が上がり産業が衰退するのではないか、増税路線が加速するのではないか。ますます激しくなる気候変動による農産物への影響も懸念され、私たち生活者にとって、心落ち着く1年にはなりそうもありません。
 そんな状況を鑑み、私は、“2025年のトレンドキーワード”の決定に当たり、「身体と心の健康」と「癒やしニーズ」を柱にしました。先行き不安を感じる生活者が食に求めるものは、「健康に寄与し、心の安定をもたらすもの」。そして「無理のない楽しさ」です。
 前者を反映するキーワードとして「骨活」「美活腸育」「エビデンス重視」「ウェルパ志向」「チューニングフード&ドリンク」などを、後者のそれとして「プロパ志向」「五感消費」「エモ消費」「背徳ウェルビーイング」「利他消費」などを挙げました。過去にも経済が低迷し、先行き不安感が広がり、節約志向が高まった年には、ちょっとした驚きや楽しさが得られる「五感消費」や、ヘルシー志向に疲れ、敢えて健康的ではないものを求める「アンチヘルシー」、心が動くか否かを消費行動の基準に置いた「マインド重視」、自他共に満足したい「共感消費」などのキーワードが挙がっています。
 2/12の“スーパーマーケットトレードショー”を皮切りに2/14には日本惣菜協会主催の“フォローアップセミナー”など、今年もさまざまな会場で「2025年食市場のトレンド」講演をいたします。もちろん、「食のトレンド情報Excel版」法人会員の皆様には、貴社に伺って講演をさせていただきます。是非、最新の情報をお聞きください。