ワタミが手掛ける新生サブウェイに期待

 10/25、ワタミは日本サブウェイを完全子会社化しました。グローバル本部であるオランダのSubway International B.V.(サブウェイインターナショナルビーブイ)と日本におけるサブウェイのマスターFC契約を締結。今後は、ワタミが国内のサブウェイ事業を展開します。
 ワタミは居酒屋業態で発展しましたが、近年は宅配食事サービスや介護事業、唐揚げ店、焼肉店やインバウンド向け串焼き肉店など、脱居酒屋依存を目指してさまざまな展開を試みています。特に創業者の渡邉美樹氏が議員を辞めて会長兼社長に復帰してからのワタミは話題が豊富で、私にとって目が離せない会社のひとつになっています。ワタミの素晴らしさは、真面目なところ。立場によってとらえ方はいろいろでしょうが、少なくとも私が見聞き体験してきたワタミ本部の皆さんの商品に対する姿勢は、とても真摯です。
 セントラルキッチンでは加工食品はほとんど使わず、基礎調味料からオリジナルの混合調味料を作り、野菜や肉を手切りし、それをキットにして各店に配送しています。そんなワタミが2002年に「日本に有機農業を広げていくこと」を目的に設立したワタミファーム。それを生かし切れる業態として最適と思われたのが、日本サブウェイだったのでしょう。
 一方、日本サブウェイは、サンドイッチ業態。とはいえ、日本人にはサンドイッチとして認識されているのかは疑問に思うところ。日本サブウェイは、「野菜のサブウェイ」をアピールしたかったようなのですが、その野菜が魅力的だったかと言えばそうでもなく。加えて、パンを選び、トッピングを選びと面倒なオーダーシステム。プレゼンテーションは頑張っているのに、なぜか満足感が得られない原因はいろいろあります。
 さて、日本サブウェイでワタミは何をするのか。おそらく、モスフードサービスのような野菜の押し出し方に加えて、さらに魅力的な野菜の展開を図るのではないかと予想します。渡邉氏のもとには、ハンバーガーのチェーンをやらないかという話が多数持ち込まれていたとか。ハンバーガーでもサンドイッチでもない、おそらくは広角的概念を持ち込んだ新業態になるであろう舞台で、“オリジナル野菜で勝負をかける!”。やっぱり、渡邉氏は飲食業界で活躍すべき逸材です。