プラスチック削減に向けて広がる無料給水所

 $1=\160台という円安絶好調の中で米国旅行をした今夏。宿泊したホテルで水道水を沸かし、マイボトルに入れて持ち歩くだけでもかなりの節約になりました。因みに、空港の自販機で売られていたペットボトルの水は500mlで$3.5(560円)。その代わり(?) 搭乗階には、マイボトルに水が入れられる給水機や直接飲める給水機がたくさん設置されています。
 世界各地でプラスチック利用の削減への取り組みが積極的に行われている中、米国では多くの州で、ペットボトル入り飲料水の公費での調達を廃止しています。加えて民間も含め、新設のビルには誰でも利用できる給水設備の設置を義務付けています。地方自治体では、市が所有する施設や敷地内でのペットボトル飲料水の販売を禁止する条例を施行。“水道水推進キャンペーン”を展開し、おいしい水道水を提供していることを市民に知ってもらう活動もしています。グランドキャニオンなどの国立公園や大学などでも、ペットボトル飲料水の販売は禁止されていて、代わりに水飲み場や給水機はとても増えています。
 この流れは日本にも。東京都水道局は、都内で冷たい水道水がいただける給水ポイント約900ヵ所を地図にまとめてホームページに掲載しています。が、悲しいかな使いづらい。同様のサービスに、REFILL JAPAN(リフィルジャパン)が展開している「リフィルスポットマップ」や、一般社団法人Social Innovation Japan(ソーシャルイノベーションジャパン)が運営するアプリ「mymizu(マイミズ)」などがあり、近くにある給水機や無料でマイボトルに水を入れてくれる飲食店、雑貨店などがすぐに探せます。
 今後も、今年のような、いえそれ以上の酷暑の夏が繰り返されるのは確実のよう。ペットボトルの飲料水をできるだけ避け、マイボトルに給水して持ち歩くことは、熱中症予防に役立つと同時に、酷暑の原因でもある地球沸騰化を防ぐことにも貢献します。