おせち商戦が只中です。今年のおせちトレンドは、「和洋・和中を組み合わせたおせち」「伝統的な和風おせち」「有名料亭・レストランのおせち」「オードブル付きおせち」などだとか。他方この数年、トレンド情報で取り上げたおせちのキーワードには、[SDGs・フードロス削減・アップサイクル]があります。“年の初めは贅沢を味わいたい”というニーズは変わらないものの、“食材をムダにしてはいけない、したくない”という時代の空気感を反映したおせち商品もいろいろ登場していました。
[SDGs]をテーマにしたのが2022年の高島屋のおせちです。ジュースを作る際に残る伊予柑の皮を活用したエサで育てた“真鯛の西京焼き”、商業施設の余剰食品を用いた飼料で肥育した豚を使った“焼き豚”、山の生態系を守るため処分されたジビエの“ソーセージ”や“ハンバーグ”、規格外の野菜を使用した“筑前煮”などが詰め合わされています。[フードロス削減]に動いたのが、ロスゼロ。おせちは販売数をある程度予測して製造しますが、まだ作れるとしても締め切り後に販売することができず、予約数が少ないとそのまま余ってしまいます。23年12月ロスゼロは、それらを「おそち」として会員への販売を始めました。
[アップサイクル]なおせちを23年向けに販売したのは、ローソンです。おせちの製造過程で出る規格外品や端材だけで作ったアップサイクルな「もったいないおせち」を販売しました。“規格外の蟹爪”や“折れ数の子”、“字がズレた寿高野豆腐”や“伊達巻の切れ端”など13品目です。また大阪・泉大津のグローフーズは23年、おせちの「端材の有効利用アイデアコンクール」を開催しました。“伊達巻”“牛すじ”“牛赤身”“鶏のチーズピカタ焼”“合鴨スモーク”の端材を活用するためのアイデアを募集。一般の人のアイデアと自社開発力の協業により端材の商品化を図りました。