具だくさんでは不十分? ニーズは具のみに

 今年、ちらし寿司や冷やし中華、焼きそばを作るとき、いろいろな具材を楽しみたい、リッチにしたい、ヘルシーにしたいといった欲求から、主役のご飯や麺よりも具材が多くなってしまうというコラムを書きました(vol.928)。が、ヘルシー感だけを求める生活者には具だくさんでは不十分なようで、主役外しを求める傾向にあるようです。
 エースコックは2月、カップ麺「わかめラー 麺なし ごま・しょうゆ」をリニューアル発売しました。わかめラーメンブランドが発売40周年を迎えた節目として、過去に期間限定商品として販売、大きな反響を呼んだ「わかめラー 麺なし」を定番商品として発売したのです。“麺がなければわかめスープ?”という声が聞こえそうですが、湯を注いで3分待ったそれは、わかめたっぷりでスープの浮き実の域を超えています。麺入りが343kcalなのに対し、こちらは46kcalです。
 野菜の製造販売をしているサラダコスモは、まるか食品の「ペヤング」とコラボ。緑豆もやしに、キャベツや人参、にらをミックスしたカット野菜に、ペヤング特製ソースをセットした「ペヤングやきそば風もやし炒め」を発売しました。簡単に言うと、“ペヤング風味の野菜炒めセット”。「ペヤング ソースやきそば」が544kcalなのに対し、こちらは84.1kcalです。 
 外食市場で、いち早く麺なしメニューを提案したのは、リンガーハット。2015年、人気商品「野菜たっぷりちゃんぽん」の麺がない、国産野菜を480g使用した「野菜たっぷり食べるスープ」を発売しました。「野菜たっぷりちゃんぽん」を注文するお客様から、「麺半分」「麺抜き」という特別な注文をいただくことか多く、発売を決断したと言います。22年11月にはリニューアル。豚肉と揚げかまぼこ、エビに代え、ゆずこしょう風味の鶏ムネ肉のスライスを加え、低カロリー高タンパク質な商品に仕上げました。「野菜たっぷりちゃんぽん」レギュラーサイズが790kcalに対し、「野菜たっぷり食べるスープ」は420kcalです。
 私はというと、やっぱり主役なしはちょっと。主役ありだからのおいしさは外せません