発売前から話題になっていた永谷園の簡便パスタソース「パキット」。パスタをパキッと半分に折って袋に入れ、レンジで加熱した後、蒸らすだけでパスタ料理ができ上がるという画期的な商品です。従来のパスタ関連商品では解決できなかった“パスタをゆでる”という作業をカット。ゆで湯も鍋を洗う水も節約できるうえ、ガスを使わないから、CO2排出量を70%削減できるといいます。時短、簡便、環境配慮といった要素が支持され、発売前から多くの量販店で導入が決まっていたようです。
SNSでは、フライパンの中でパスタをソースやだしで加熱する「ワンパンパスタ」が流行っています。ワンフライパンでできる手軽さと、ソースやだしがパスタに浸み込んだ意外なおいしさが、人気の理由のようです。そんな中、永谷園が放った「レンチンパスタ料理」。早速、「ボロネーゼ」「ペペロンチーノ」「カルボナーラ」の3種を作ってみました。
本商品のように“蒸気抜き機能”が付いたパウチを使ったレンジ調理商品は、開発の過程で、加熱と水分のベストなバランスを模索する試作を繰り返します。パキットの場合、加える水の量は3種とも160ml。しっかり量ることを促されます。そのほか注意点として、出力と加熱時間、蒸らし時間は指定通りにすること、蒸らした後かき混ぜること、700w以上の出力で加熱しないこと、2個以上同時に加熱しないこと。何より、パスタは1.6mm(1.4~1.7mm)のものを100gと決められています。これらは、水分の蒸発量とパスタの加熱加減に大きく影響するからです。確かに、1.8mmの輸入パスタを使った場合と、1.6mmの国産品を使った場合では、後者のほうがパスタの硬さがちょうどよく、ソースもしっかり馴染んでいました。
希望小売価格300円の手間なしパスタソースは、ひとり暮らしのパスタ好きに歓迎されるでしょう。パスタを折ることを邪道とするパスタ好きも少なからずいる中、敢えて「パキット」という商品名にすることで、折ることに肯定感を与えている点もおもしろいと思います。