家計の救世主“もやし”の話

 あれもこれもと値上がりし、物価の優等生と言われてきた卵の価格すらも高騰している食市場において、変わらずに低価格で販売されているのがもやし。近隣のスーパーでは「緑豆もやし1袋200g」が29円(税抜)です。
 節約志向が強くなると、低価格の食材をおいしく食べさせてくれる調味料や加工食品が発売され、人気になります。この秋冬商品の中で話題になったのが、もやしを主役にする商品。「久原醤油」の鍋つゆ“塩とんこつ もやしのうま鍋”です。“野菜を美味しく食べる鍋”をテーマにした“うま鍋”シリーズの中でも特に売れた商品で、2月を待たずして終売になってしまいました。同じくもやしに注目したのが、「明星食品」の袋麺“明星 チャルメラ もやしが超絶うまいまぜそば ニンニクしょうゆ味”です。新型コロナウイルス禍で、もやしのアレンジメニューが増えていることに着目して2021年に発売された商品。好評なため、今年4月に麺ににんにくを練り込むことで、にんにくのガツンとくるうま味と香りをアップさせたリニューアル商品を発売する予定です。
 物価高の中、もやしはまさに救世主のような食材ですが、原料である緑豆種子の価格は高騰しています。一方、小売価格は横ばいか下落していて、もやし生産者は窮地に追い込まれているのも事実。そんな中、もやしの高い栄養価に着目し、“安いだけ”食材から“栄養リッチ”食材へ、イメージの刷新を図るためのブランディング活動、もやしの価値向上を目指す「MOYASHI SMILE PROJECT」が始動しています。