ユネスコは7/1、ウクライナを代表する料理「ボルシチ」を無形文化遺産に登録することを決めました。「ボルシチ」はロシアでも広く親しまれている料理ですから、ロシア政府はもちろん反発。ウクライナ国民は、ほんの少しでしょうが、溜飲を下げることができたのではと思います。
「ボルシチ」のように、ロシア料理として日本に紹介され、実はウクライナ発祥かもと思わせる料理が、その名の通り「キエフ風カツレツ」です。
私が、「キエフ風カツレツ」という料理を初めて知ったのは、高校生の頃。プロ向けの料理本です。目の細かなパン粉衣に包まれたラグビーボールのようなそれは、いかにも洋風料理の見た目。しかも、お皿の上で半分にカットされた断面から熱せられたバターが溶け出しているビジュアルは、まさに垂涎モノです。ロシア料理などというものが、身の回りにはもちろん、テレビの中にも存在しない時代でした。
大学生になり、初めて渋谷のロシア料理店「ロゴスキー」を訪れたときは、狂喜乱舞。“赤い料理”をおっかなびっくりいただいた「ボルシチ」、名前の響きがロシアっぽいと思った「ピロシキ」、パンの帽子を被ったマグカップが可愛い「つぼ焼き」、紅茶にジャム?と驚いた「ロシアンティー」。因みに、ウクライナではジャムを紅茶に入れますが、ロシアでは紅茶が冷めるのを嫌ってジャムを舐めながら紅茶を飲むのだそう。ということは、日本の「ロシアンティー」も、ウクライナ発祥ということになりますね。