4/1からさまざまな食品や日用雑貨が値上げされました。今年も消費は、ますます保守的な傾向になりそうです。その反動のように高まっているのが、食で楽しみたいというニーズです。今年のトレンドキーワードのひとつに「Fun Foods」を挙げました。
遡ること15年前。2007年最初の食のトレンド情報vol.107 「山下智子の先週の注目記事とトレンド分析」のテーマは、“2007年。今年の食市場キーワードは「進化する楽食」です”。2007年は、楽しい食、楽(ラク)な食が、ますます求められる時代になると予想。楽しい食の中には、食べること自体の楽しみのほかに、選べる自由さ、食を介して人と触れ合う喜びなどの「楽」も含まれていること。またラクな食は、そのものずばり、ラクチンな食、ただ今までの簡便食とは一線を画するラク食で、ラクなだけでなく、ラクで楽しい、ラクだから楽しい要素が求められる食と記しています。
まさに「Fun Foods」にも通じる「楽食」です。新型コロナウイルス禍で私たちは、食を介して人と接することの楽しさ、思いのままに外食をする自由さを懐かしく思い、それらを強く求めました。家で料理をすることが増え、初めは凝った料理に挑戦していた生活者にも自炊疲れが。冷凍食品など簡便食が売れましたが、単に簡便なだけでなくプラス「0.5手間」のアレンジが可能で、その0.5手間に個性を表現できる余地、楽しめる要素のあるラクな食が求められています。
「進化する楽食」で紹介しているのは、“イチゴ用パウダー”や“目玉焼き専用たれ”など。身近な食材や簡単な料理を、ラクしておいしくしてくれる商品であり、どう楽しむかを提案してくれる商品です。
「食のトレンド情報Web」には過去の情報も満載です。当時流行った食品や開発コンセプトがおもしろい商品、生活者のニーズなど、現在に役立つ発見もいっぱいです。これからも過去の情報を紹介しながら、繰り返すトレンド、深化するトレンドのお話をしたいと思います。