グルメも施設も充実。サービスエリア

 およそ10年ぶりにスキーをしに中央道を北上。信州へ向かいました。
 高速道路のサービスエリア(以下SA)は、ここ10年余りで以前とは比べものにならないくらい魅力的な施設になりました。トイレ休憩のために仕方なく立ち寄る場所から、何かありそうという期待感で寄りたくなる場所に確実に変わったのです。
 今回寄ったSAは、「恵那峡」。食したのは「飛騨牛タンバーガー」です。牛タンのパティにマヨネーズとポテトサラダというシンプルな構成で、牛タンの弾力と風味がしっかりと感じられます。飛騨牛のメニューはほかにも、コロッケバーガーや串焼き肉などがあります。「恵那峡」は古いタイプのSAですが、地元の農産物を販売するなど、時流に乗っていろいろと工夫していることが伝わります。
 新しいSAと言えば、新東名です。駿河湾沼津SAでは富士山の絶景と駿河湾の輝きの両方が堪能できます。グルメは、やはり海の幸。マグロやキンメダイ、ウニやイクラなどの海鮮がたっぷりと盛られた大ボリュームの海鮮丼や、新鮮な魚介類で作られた「ちぎり揚げ」も人気です。飲食店だけではありません。東名の海老名SA内の「エクスパーサ海老名」には、アパレル、百貨店、スーパーなど多種多様な業態の店舗が出店し、一大ショッピングセンターの様相を呈しています。行楽帰りに食材や惣菜を買うこともでき、“家に帰って夕食どうしよう”などと悩む必要もありません。そのほか、コインランドリーやコインシャワー、足湯や温泉、ドッグラン、観覧車、メリーゴーラウンドやゴーカートといった遊具などを揃えているSAも。SAは今、旅の目的地のひとつになっています。

パンのさらなる値上がりは必至。ご飯派転向もあり?

 ウクライナは、ヨーロッパの穀倉地帯であることはよく知られています。上部が青色、下部が黄色という二色の国旗は、空と麦を表わしていると言われ、「ヨーロッパのパン籠」「ヨーロッパの穀倉」と表されます。
 日本は小麦の約9割を、米国、カナダ、オーストラリアから輸入しています。昨年10月、輸入小麦の売り渡し価格は、過去2番目の上げ幅(19%)になりました。理由は、地球温暖化が原因とされる強烈な熱波による小麦の不作。北米の太平洋岸のいくつかの都市では、最高気温が50℃近くまで上がり、オーストラリアでは山火事が収まらずコアラの痛々しい姿を映した映像が地球上を駆け巡りました。
 さらに農林水産省は3/9、今年4月からの売り渡し価格を、昨年10月よりさらに17.3%引き上げると公表しました。フジパンと敷島製パンは、今年1/1納品分から値上げをしています。4月以降、カップ麺や冷凍うどんなども値上げされる予定です。そして4月の売り渡し価格引き上げに加え、ウクライナの戦禍。パンや麺類の価格がどこまで上がるのか、予想ができません。
 これを期に、朝食をパン派からご飯派に切り替える生活者も増えるかもしれませんね。米5kg 2500円(税込)としてご飯1膳分(150g)の価格は34円(ガス代や電気代、水道代を加えるとおよそ+5円)、食パンの平均価格が1斤180円(税込)として6枚切り1枚の価格は30円。ご飯のほうが手間が掛かるし、みそ汁やちょっとしたおかずも必要。一方、マーガリンも値上がりしていて、食パン1枚に15g塗ると+12円。さあ、どうしましょう。

やっと定着するかも? マイボトル

 ファミリーマートは3/9、東京都内の10店舗でプラスチック製のフォークと先割れスプーンの配布を休止する実証実験を約1ヵ月間行うと発表しました。
 プラスチック削減で最近目立つのは、マイボトル推進活動です。魔法瓶メーカーのサーモスは昨年、マイボトル持ち込みを前提としたテイクアウト専門のコーヒー店「THERMOS COFFEE TO GO」を東京・西新橋と大手町に出店。飲みたい量だけ無駄なく買える“量り売り”でオリジナルブレンドや紅茶などの販売を始めました。一方、象印マホービンは今年2月、マイボトルを活用したモバイルオーダーサービス“ZOJIRUSHI MY BOTTLE CLOAK”の実証実験を始めました。飲食店が顧客のマイボトルを預かり、洗浄して保管。同社のLINE公式アカウントを使って顧客が飲料を注文、決済すると、店舗側はマイボトルに飲料を入れて準備し、顧客へ通知を送信。マイボトルの受け取りと返却は、店舗付近の専用ロッカーや店頭で行います。また日本コカ・コーラは、マイボトルやマイカップの内部を洗う洗浄機を併設した、炭酸水と水の自動販売機を導入。実証実験を開始しています。
 プラスチック削減のためのマイボトル、マイカップ推奨の活動はかなり以前から行われています。例えば2007年、スターバックスコーヒーは井の頭公園店で、無料でマグカップを預かるサービスを実施。マイカップを使うと20円割り引きされるサービスは口コミで広がり、利用者は約300人に増えたといいます。2010年、横浜市立大学など3大学は、500個の携帯用ステンレス魔法瓶を学生に配り、給水機の数を増やしたところ、学生から高評価を得たという結果を公表しています。
 よいことと分かっていても、生活者にとっては面倒なこと、企業にとっては売り上げが落ちたり経費が掛かったりすることは、長続きしません。現在のように、世の中の大きな流れが必要なのです。