暑い日が続くと食べたくなるのが、冷たい麺。ランチに冷やし中華をいただくことが多くなりました。
冷やし中華の具は錦糸卵、きゅうり、ハムやチャーシュー、蒸し鶏などのタンパク質食品。これが定番。現在は、トマトがかなりの確率でのっていますが、昭和の時代には一般的ではありませんでした。反対に、タンパク質食品として魚肉ソーセージも使われていたと記憶しています。紅しょうがと和辛子、炒りごまは必須。たれはごま油入りの酢じょうゆと決まっていました。
外食で、家庭で、それぞれに深化した冷やし中華。具もバラエティ豊かです。ツナ、エビ、クラゲ、うなぎ、ゆで卵、カニカマ、もやし、貝割菜、コーン、わかめ、ゴーヤ、オクラ、みょうが、アボカド、すいかなどなど、合わないものはないかも。味付けも、ごまだれやマヨネーズはもはや定番。ナンプラーやスイートチリソースでエスニックに、トマトスープでイタリアンに仕上げることもできます。
「冷やし中華始めました」。店先に貼られる短冊に書かれたこの言葉は、初夏の風物詩になっています。ところが、これに反旗を翻したのが“全日本冷し中華愛好会”。生ビールやアイスクリームは冬でも売っているのに、冷やし中華が夏しか食べられないのは差別だ!という主張を基に、ジャズピアニストの山下洋輔氏、漫画家の故赤塚不二夫氏や作家の筒井康隆氏、タモリ氏などがメンバーになって1975年に発足しました。会報『冷し中華』を発行するなど活動を続けていたようですが、今でも、大半の店が夏しか冷やし中華を提供しない現実をみると、道半ばにして・・・ということでしょうか。