2020年が幕を開けました。今年のメインイベントは何と言っても「東京オリンピック・パラリンピック」。海外からの注目が集まり、インバウンドも飛躍的に増加。しかも今まで渡日経験の少ない国からのお客様もたくさん訪日することでしょう。その期待が、食市場にさまざまな変化を起こしています。
そのひとつが、ビーガン・ベジタリアン対応です。海外から来るビーガン・ベジタリアンに向けてメニュー開発を進める外食店、それに対応すべく、食品会社は動物性食品を含まない業務用商品の種類を着実に増やしています。加えて、ビーガン・ベジタリアンメニューを提供する飲食店を探せるアプリや、商品棚を撮影するとそれぞれの商品を瞬時に認識してデータベースと照合し、ベジタリアンやムスリムの人が食べられるか否かを判定してくれるアプリも開発されていて、海外からのお客様も迷うことなく日本の食を楽しめると思います。
ビーガン・ベジタリアンの信奉者、実践者は、欧米やインド、台湾では以前から多く、それらの国では、彼らをターゲットにしたメニューや食品は珍しくありません。が、日本においてはストイックなイメージが先行したためか、拡がる可能性は低いと見られていました。ところがここに来て、若者を中心に、ビーガン・ベジタリアンに興味を持つ生活者が増加。週末のみ菜食を実行する「ゆるベジ」、肉をなるべく食べないように心掛ける「フレキシタリアン」などを含めると、ビーガン・ベジタリアン傾向の食生活を実践する人は、5~10%に達するのではないかと推測されています。インバウンドのみの需要ではなくなっていることが、ビーガン・ベジタリアン対応を急ぐ飲食店や食品会社の背中を押しているのです。