日本では、コンビニ飽和論が再燃していますが、まだまだ出店の余地が多い中国では群雄割拠。そこに、ネット業界の最大手アリババ集団までもが参入。覇権争いに名乗りを上げました。
小売市場の実店舗の現状は、中国も例外ではありません。先進他国と同様、ネット通販の拡大によって苦戦を強いられています。そんな中、唯一成長しているのがコンビニです。
米国で生まれたコンビニが日本に上陸したのは、1974年。それから現在に至るまで、日本のコンビニは、固有の進化を続けてきました。最大の特徴が、各社開発に凌ぎを削る弁当・惣菜。中食市場伸長に大きな役割を果たしてきました。中国も同様、弁当・惣菜部門に注力することで、外食市場から客を奪う戦略が奏功しています。
特に、武漢を拠点にする新興チェーン「Today」はサンドイッチやサラダなどの惣菜開発を、北京に拠点を置く新興チェーン「便利蜂」はレジ横の惣菜や弁当を充実させています。一方アリババ集団は、急成長する小売り大手の百聯集団と組み、3月、上海にコンビニ1号店となる実験店「逸刻EGO」を開業しました。巨大なオープンキッチンとイートインスペースを開設。でき立ての惣菜やパンをウリにしています。
明らかに中国コンビニの見本となった日本勢も、ここにきて出店を急いでいます。ローソン、ファミリーマート、セブンイレブン3社の18年の純増数は約1100店に達しています。
アリババ集団は、コンビニ業界にどんな旋風を巻き起こすのでしょう。オムニチャネルやシステムの導入などはお手の物でしょうが、“食の提供”という側面においての覇者にはなれるのでしょうか。従来の弁当・惣菜とは異なるコンビニの新たなウリを創造することはできるのでしょうか。もしそれができれば、即日本に逆輸入されることでしょう。