小学校の給食でたまに出されていたソフト麺。覚えている人も多いと思います。私が小学生だった頃は、米飯給食はまだ始まっていなかったため、主食は食パンとコッペパンのみ。月に1回程度提供されるソフト麺とカレー味のソースのセットが、とてもうれしかったことを覚えています。
そのソフト麺、学校給食から姿を消しつつあります。
きっかけは、平成21年に文部科学省が出した“週3、4回は米飯給食にしましょう”という内容の「学校における米飯給食の推進について」のお達し。週5回しかない学校給食の内、3、4回を米飯にするこということは、残りの2、3回を、パンもしくはソフト麺以外のラーメンやうどんなどの麺類と分け合うことになります。
ソフト麺は、提供される日の当日、40分かけて90度の蒸気殺菌を行い、ホカホカの状態で午前中に学校に納入しなくてはならず、手間がかかるのだとか。納入回数が減れば、自ずと、ソフト麺から手を引く製麺会社、廃業するソフト麺製造会社は増加します。
が、“捨てる神あれば・・・”なのか、ソフト麺は今、家庭用として注目され始めています。乾麺と違って水分が含まれているため、電子レンジで温めるだけで簡単に調理ができる点が時短簡便を求める生活者のニーズにはまっていることが理由のようですが、コシの強さがウリの冷凍うどんより軟らかな食感は高齢者向きとも言えるし、懐かしさも追い風になるでしょう。
因みに、給食の食材にソフト麺を採用しているのは、主に中部地方から東のエリアの18道県のみ。うどんやラーメンの文化が浸透している西日本や四国、九州ではあまり拡がらなかったようです。