今年、多くのメディアが取り上げていた恵方巻きのフードロス問題。節分を前に、農林水産省も注意を喚起。作り過ぎないように勧告を出しました。スーパーやコンビニは、予約販売を積極的に展開し、フードロス対策に貢献の姿勢を見せましたが、一方で、前年実績を上回る販売目標を立てていて、そのせいか、廃棄量は前年と変わらなかったようです。
節分の日に、その年の決まった方角を向き、願いを込めて無言で一気に食べると縁起が良いとされる恵方巻き。もともとは関西を中心に行われていた風習だったのが、20年ほど前からコンビニが全国的に展開を開始。今では具のバリエーションも増え、エスニック風からスイーツまで登場しています。
そもそも関西の風習がなぜここまで広がったのでしょうか。その理由は、主婦の言い訳消費を喚起したからです。「縁起が良くて願い事も叶う(かもしれない)家族で楽しめるイベント」。スーパーやコンビニが用意してくれている恵方巻きを購入するには、充分な理由です。夕食を、惣菜を買って済ますことに後ろめたい気持ちを持つ主婦も、この日ばかりは、前向きに買って帰れます。
恵方巻きを購入する人は、平成29年をピークに減少に転じています。夫婦共働き世帯が急増し、食の外部化が急速に進んでいる今、恵方巻きに言い訳を求める必要がなくなっているのかもしれません。