少しずつ寒さも緩み、暖かい日が増えてきました。が、白菜やキャベツなど野菜の高値はまだまだ続きそうです。それに対応すべく、食品スーパーは、冷凍野菜の調達先や売り場を広げています。
「いなげや」が新たに仕入れたのは、ペルー産のグリーンアスパラガスや中国産のほうれん草といった海外産の冷凍野菜。「サミット」も、国産の冷凍野菜が品不足になっているため、中国産のほうれん草と小松菜の冷凍品販売に着手しました。「ライフコーポレーション」は、ほうれん草や人参、キャベツなど約20品を冷凍ケースに入れて販売。「いなげや」も改装店2店舗で、青果売り場に平台の冷凍ケースを設置しました。冷凍野菜、特にほうれん草やブロッコリーなどは、柔らか過ぎて水っぽいと敬遠されることも多かったのですが、ここにきて、野菜の高値をきっかけに利用を始め、利便性や保存性に惹き付けられている生活者は少なくないでしょう。
一方、野菜の種も改良が進んでいます。種苗大手サカタが開発したのは、葉が厚く寒さに強い白菜「冬月90」。カネコ種苗の白菜「おもむき」も、温度変化に対応しやすく、低温でも葉が枯れにくいという特性を持ちます。このほか、根が太く強風でも倒れにくいとうもろこし「ゴールドラッシュ90」や、暑さに強いトマト「麗月」、高温でもきれいな球体になるレタス「タフV」など、天候不順に対抗できる品種が相次いで登場しています。
天候に関係なく野菜が安価に入手できる環境が整った時、生活者は冷凍野菜を選ばなくなるのでしょうか。