ファミリーマートが、100億円強を投じてコインランドリー事業に参入すると発表しました。これには驚くと共に、正直、いいところに目を付けたと思いました。
現在コンビニ業界は、客単価は上がっているものの、集客数は伸び悩んでいます。弁当・惣菜といった自社開発商品での差別化、雑貨の値下げでの集客には限界があります。そこで目を付けたのが、近年、急成長しているコインランドリー市場です。集客手段は、コンビニ目的でなくてもいいという発想がそこにはあると思います。加えて、都心部以外、コンビニには広い駐車場は付き物。その空間を有効利用するというアイデアです。
以前はコインランドリーというと、洗濯機を持たない下宿生活の大学生や単身者が利用するというイメージが強く、若い女性は、特に夜間は怖くて利用しづらい存在でした。ところが最近は、そんなイメージを一変するコインランドリーが次々にオープンしています。布団やカーペットが洗える大型機、衣類がふんわりと仕上がるガス乾燥機、清潔で明るい店内は防犯の目的でガラス張りが基本です。滞在時間に読めるものは、新聞から女性向け雑誌まで最新号が揃っていますし、Wi-Fiが使える店もあります。単身者の増加、共働きで休日にまとめて洗濯をする生活者が多いこと、布団やカーペットなどの大物に洗える素材の商品が増えたことなどが、コインランドリーの利便性をより高めていると言えます。
ファミリーマートは、コインランドリー併設店舗を2019年度末までに500店展開する計画で、実現すればコインランドリー業界で最大規模の店舗網になります。因みに、ファミリーマートの現在の店舗数は、サークルK・サンクスを合わせると1万8000店舗以上。これは奇しくも、現在のコインランドリー店とほぼ同じ数です。