夕食の献立やお弁当作りで、副菜があと一品欲しいとき、スーパーの惣菜はとても助かる存在です。野菜の炊き合わせやかぼちゃの煮物、練りサラダなど、手間のかかる料理がそこそこの値段で用意できます。時間がなくてスーパーに行けないとき、助かるのがコンビニのパウチ惣菜です。スーパーの惣菜とよく似た品揃え。量の多寡は選べませんが、おいしさは変わりません。
最近、このパウチ惣菜の市場規模が急拡大しているのをご存知ですか。2014年には、前年比9割増の4700億円超まで伸長しました。しかもこれは、チルドの商品のみを対象とした数字。常温の商品を加えると5000億円を突破していると推定されています。
食品メーカーも、パウチ惣菜市場に次々と参入しています。明治やマルハニチロなどの大手から、カネハツ、ヤマザキといった中堅まで。料理の幅も和洋中と広がりを見せています。特にマルハニチロのロングライフチルド惣菜「至福の一皿」シリーズは、レストランの料理のようなラインナップ。和惣菜が多いパウチ惣菜の中で異彩を放ちます。加えて、トレー式なので、皿に盛り替える必要がありません。
パウチ惣菜のおいしさと使い勝手の良さが認知され存在感が高まるにつれて、日配品の惣菜との垣根がなくなりつつあると実感しています。保存が利いて、保管にスペースを取らない点は、日配品より優れていると思います。日配とパウチ、それぞれの特性に合わせてよりふさわしい料理を選ぶなどの商品化を進めれば両者の共存は可能であり、相乗効果によって惣菜売り場はさらに活性化すると思います。