“サーフ&ターフ”。直訳するとサーフ=海、ターフ=牧草地です。これが料理のカテゴリーとなると、サーフ=魚介、ターフ=肉となります。ステーキとロブスターを盛り合わせた一品など、米国などではお馴染みの昔ながらのメインディッシュ“サーフ&ターフ”。魚介と肉のおいしさを同時に味わえる欲張りなメニューは、最近、よりクリエイティブで多様な料理に進化し、世界のガストロミックなレストランに登場しています。
パリの「パピヨン」では、豚の血入りのソーセージ”ブータン”に、肉厚なノルマンディー産のカキを合わせます。またコペンハーゲンの「レストラン レレ」では、低温調理したマスにカリカリに焼いた鶏肉の皮を重ね、それをパリパリに焼いた長ねぎで覆った一皿が人気です。
東京では、奥渋谷の人気レストラン「PATH (パス)」が、軽く火を通したカキに馬肉のタルタルを載せた一皿を提供。カキのクリーミーさとミネラル感が、馬肉の淡泊な風味を生かしつつ、味わいとボリュームをアップさせています。「L’Octave Hayato Kobayashi(ロクターヴ・ハヤト・コバヤシ)」(東京・渋谷)では、穴子のグリルに、とろりとしたフォアグラをソース代わりにからませます。「KABCO(カブコ)」(東京・六本木)では、海の幸と熟成肉のマリアージュのコースを展開。その中のひとつ、カキと熟成肉を合わせた”牡蠣肉”は、カキの天然アミノソースが熟成肉のアミノ酸と絡み合う絶品だといいます。
一方、和食店でも“サーフ&ターフ”は大人気。行列が絶えない高級立ち飲み割烹「かねます」(東京・勝どき)の“生うに牛巻き”は、高級海鮮のウニを贅沢な和牛で巻く、同店の”顔”と言われるメニュー。毎朝、築地で仕入れる鮮魚を使用した料理がメニューに並ぶものの、ほとんどの人が “生うに牛巻き”を目当てに足を運ぶというほどです。
月: 2017年2月
いよいよ始まります “プレミアムフライデー”
今週24日、初めての「プレミアムフライデー」が実施されます。参加を表明しているのは、2000社超。いずれも百貨店や外食店、テーマパークなどサービスを提供する側の企業です。
例えば、「ザ・プリンス さくらタワー東京」は2/24限定で、広々とした部屋での宿泊と、SNSに投稿したくなるような料理を揃えた‟ストロベリーアフタヌーンティー”のセット商品を、女子会向けプランとして提供します。また京都ホテルオークラも2/24限定で、スイートルームに安く泊まれるプランを用意。シャンパンやグラスワインが飲み放題になるビュッフェ形式のディナーレストランの利用券1万円分も付けました。その他、新横浜プリンスホテル、ホテルニューオータニ幕張、第一ホテル東京などでも2/24限定プランを用意しています。ホテルが用意しているプランはいずれも働く女性をターゲットにした女子限定プランです。
一方、百貨店は。伊勢丹新宿本店では、レストラン各店で趣向を凝らしたおつまみとドリンクのセットを1001円で提供する特別メニューを用意。三越伊勢丹HDでは落語イベントを開催します。東急百貨店は飲食店「宇田川カフェ」と連携。東急フードショーのスタンディング式イートスペース「シブヤSTAND」で、できたて惣菜をつまみながら「シブヤビール」が楽しめるイベントを開催します。
外食市場では、モスフードサービスが紅茶専門店「マザーリーフ」の本店で、午後4時から紅茶セミナーを開催。焼鳥チェーン「大吉」は、一部の店舗で通常より2時間早い午後3時に開店。サッポロライオンは午後3時以降、「エビス生ビール」を半額にします。その他、ほとんどの飲食店は、ハッピーアワーで対応するものと予想します。
旗振り役の経済産業省と経団連などの経済団体は、消費喚起を期待していますが、果たして結果は?
カスタマイズサラダのチェーン店「サラダストップ」
「まいどおおきに食堂」を展開するフジオフードシステムがFC展開を図る、シンガポールのサラダ専門店「サラダストップ」。当初6月に東京都内に1号店を開くとリリースを出していましたが、結局、表参道に1号店をオープンさせたのは11月1日。今年1月30日には六本木に2号店ができました。
メニューは、サラダ、ラップ、グレインの3種。お客様はまず、ロメインレタスやキャベツ、ケールなどからベースの葉野菜を選び、続いて約50種類の食材からトッピングを6種類、18種類の中からドレッシングを1種類選びます。カスタマイズが基本ですが、カスタマイズが面倒な人にはシグネチャーサラダもあります。
お客様が選んだ葉野菜と具材はいったんまな板の上にあけられ、食べやすい大きさにカットされます。その後、ドレッシングを混ぜ合わせて再びボウルに盛り付けられるか、或いはラップであれば薄い生地で包まれます。こんなにも大量の野菜を包めるのかと思うのですが、青手袋をはめた手で抑え込みながら見事にラップしてしまいます。この青手袋、ちょっと違和感がありますが、食材にない色のため、混入した場合すぐに目に付くという利点があります。
トッピングは、チキンやアボカドなどは有料で、それを入れると1350円ぐらいになり、競合する「クリスプ・サラダワークス」と比較するとやや高く感じられるでしょう。お客様は迷い、野菜のカットに時間がかかり、列はなかなか進みません。スタッフは多いものの、手が回っていないのがよく分かります。
本部は、2019年までに主要都市に計20店の出店を目指しています。サラダショップがあちこちに登場している昨今。すぐに新たな付加価値が求められるでしょう。果たして何店舗まで伸ばせるのか。今後も見ていたい業態です。
欠勤のペナルティと恵方巻のノルマ。明確化したコンビニの問題
先週、コンビニに従事するアルバイトに関して、ふたつの問題が話題になりました。ひとつは、アルバイトを休んだ女子高校生に対し、代わりの人材を補充できなかったという理由で休んだ時間分の報酬と同額が、ペナルティとして支払われるべきアルバイト代から差し引かれたこと。そしてもうひとつが、恵方巻の販売ノルマです。アルバイトの学生は自分、家族、友だち、先生にまでお願いして何とかノルマをこなすとか。それが叶わない場合は、自ら購入。食べ切れないものは捨てていたと言います。
労働基準法に照らすと、ペナルティの額が法定金額を超えている、罰金は報酬と相殺してはならないなど、明らかに店側は違反をしています。何より、アルバイトの学生に人員の補充をする義務はありません。しかも、もし運よく代わりの人が見つけられたとして、オーナーは、面接や労使の契約など何の手続きもなく、その人を即日働かせるのでしょうか。現金のやり取りがあり、食品を販売している店で。余りに安易ではないでしょうか。もちろんそこには、常態化する人手不足に悩むコンビニオーナーの現状があり、同情もしますが。
さらに今回、コトが大きくなった理由に、コンビニ本部の対応のお粗末さがあります。「フランチャイズ店がやったことだから本部は関係ない」といった態度は、当事者はもちろん利用しているお客様に対しても、いい印象を与えないことは明らかです。多くのお客様はブランドを信用しているのであって、フランチャイズ契約をしている会社または個人を知りません。
恵方巻の問題も、さもあらんと容易に想像できてしまうことが、却って悲しく思います。クリスマスケーキ、おせち、恵方巻と、コンビニのイベント商品は、即ノルマ商品になります。この問題が明確化した今年、私の中で恵方巻は、縁起のいいものではなくなってしまったように思いました。