関東地方は、39℃を超えそうな連日の猛暑。地球がおかしくなってしまったのではと、とても心配になります。
そんな心配が悲しみに変わる情報がありました。サンマです。東京・築地市場のサンマの初セリで、1kg当たり2万5000円、1匹当たり3300円という過去最高値が付きました。北海道沖で獲れるサンマの量が大幅に減少しているためです。サンマが大好きな私にとって、こんなに悲しい話はありません。卸売業者は「大型船の漁が解禁される秋以降は値段が安くなる」とみているようですが、近年、日本で獲れるサンマの量は確実に減少し、魚体は小さくなっています。
原因のひとつが温暖化です。海水温が上がると、冷たい水を好むサンマが日本周辺の海域に来なくなってしまうのです。加えて、海面に近い水が温まると、栄養塩が豊富にある深海水と混合しにくくなり、サンマのエサになる植物プランクトンが減ってしまいます。因みに、海水温が1℃上昇するとサンマ1尾の平均重量が約7%(約10g)減少するという計算も出ています。もちろん、台湾や中国、韓国などでサンマが人気の食材になり、サンマ漁が急増していることも大きく影響しています。今年7月発足した北太平洋公海の漁業資源保護を話し合う「北太平洋漁業委員会」では、日本、カナダ、米国、ロシア、中国、韓国、台湾と7つの国と地域が参加し、話し合いを行っていますが、各国の利益に関わる問題だけにスムーズにはいかないようです。
海の恵みに助けられてきた日本。魚が自由に食べられない日が来るなんて、思いもしませんでした。海の資源を守るために、温暖化対策と漁場保護に対して、日本がリーダーシップをとって積極的に取り組んで欲しいと思います。