(前号に続く)
今年の[和味]スイーツの特徴は、なぜか“みたらし”。チーズタルトやマドレーヌ、フィナンシェなどフランス菓子にみたらしを合わせた“和洋折衷スイーツ”が目立ちます。
洋のスイーツに、酢やしょうゆ、みそといった和の調味料が使われ始めたのは、2000年代中頃から。私は、煮物に調味料を加える順番“さ(砂糖)、し(塩)、す(酢)、せ(しょうゆ)、そ(みそ)”になぞえて[さしすせそイーツ]というキーワードを付けました。04~05年にかけて酢ブームが起こったとき、酢を使ったスイーツ[酢イーツ]が登場。07年には塩ブームが起こり、スイーツに塩をアレンジした“塩キャラメル”“塩プリン”など[甘じょっぱ系スイーツ]が人気になりました。08~09年にかけては、しょうゆを使ったスイーツが続々と登場。そして09年には、みそやウスターソースを使ったスイーツが現われました。10年は、酒粕を使ったケーキやトリュフチョコレート、ベーグルなどが誕生し、ちょっとした“酒粕スイーツ”ブームが来ています。
因みに、08年は若い男性の“甘党化”が進んだ年。私は[甘党オトコ]というキーワードを付けました。“男が、甘いもの?癒やされたい?”の昭和の固定観念が一変。職場で菓子を食べることに抵抗がなくなり、ボトル入りのチョコで疲れを癒やしたり、リッチなプリンを自分ご褒美にしたりする若年層の男性が急増。コンビニ各社も、男性向けスイーツ商品の開発に力を入れました。10年になると、昼休みや仕事帰りに、デパ地下で和菓子を買い求めるビジネスマンの姿が目立つように。コンビニでも、帰宅途中に和菓子を購入する若い男性客が増え、[和菓子回帰]が起こります。理由は、[保守消費]。“パティシエ・バブル”がはじけ、おしゃれで分かりづらい高価なスイーツよりも、団子や饅頭といった昔ながらの分かりやすくて安価な和菓子がいいとなったのです。
そして東日本大震災の翌12年。[癒やしニーズ]が一層強くなり、[neo和菓子ブーム]がキーワードに。定番の和菓子に加え、そこに洋風のアレンジが加えられたり、定番同士を掛け合わせて新しい和菓子が提案されたり。安価な和菓子に“意外性と驚き”という要素が求められ、“定番+α”の[neo和菓子]が注目されました。(次号に続く)